夫婦で外出しての帰り、高島屋の地下で何かデザートを買おうということになった。もうお昼で、子供達が待っているから急ぎあしで洋菓子売り場へ。チーズケーキ、ワッフル、ショートケーキ目移りするなあ。手近な売り場をキョロキョロ。ひとまわりしてロールケーキすると宣言した奥さん。ロールケーキかぁ、と思ったけど、軋轢を避けるべく同調。ところが最初に通り過ぎたときには誰もいなかったのに、決めたときにはカウンターは人だかり。列がはけるまでカウンター前でしばし待つ。どれにしよっかなぁ。イチゴたっぷりのがいいかなあ。チョコも子供が喜びそう。いやいや贅沢にフルーツてんこ盛りか。ん!季節限定栗。これだロマン、違うマロンだ。季節限定も購買意欲をそそる。大粒の栗がロールの間に挟まっているのがいい。とその時、嫁は隣のカウンターの店員に向かっていきなり、「ワッフル10個セットひとつください」。がーん。何で!まるで9回裏、九分九厘勝ちを確信していたチームが、逆転サヨナラ打を打たれたような。徳俵まで押し込んだ横綱が、いきなりうっちゃりをくらったような。ゴールテープ目前に、一位を確信していたランナーがけつまずいたような。将棋崩しをしていて、、、くどいか。 こんなにも感情移入してしまったロールケーキだったのに。何で!「だって 混んでるから時間かかるやん」・・・確かに混んでる。悔しいけど仕方ない。またもしばし待つ。しかしワッフルセット10個はすでに用意したものが置いてあるのかと思いきや、何と陳列棚のはしからはしまで、店員さんが注文を受けてから、ご丁寧にひとつづつとっている。そしてさらに超ご丁寧に、「この10個セットになっております」と見せてくれる。早くしたかったからワッフルセットだったはずなのに。そしてさらにさらに超超ご丁寧に包んでくれている。ふと横を見ると、ロールケーキ屋さんのカウンター前にはお客さんは誰もいなくて、笑顔の店員さんと目があった。
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