<平成22年12月>

今年最後のブログは、これまでの路線とは趣きが異なります。今年唯一、静かな心が描きました。


2010年12月30日(木)
今年、少し悲しかったこと

麺教室へ行こうと思い立ったのは父親がうどんやそばが好きだったからである。でも作る機会があまりないままに、父親はだんだんうどんを食べなくなった。少し硬めにゆでたり、いやいや年寄りだから柔い方がいいのかも、と試してみたがやっぱり残す。父親はクモ膜下出血を起こしてから失語症になり筆記もできず、加えて年をとり耳も遠くなったために、コミュニケーションがほとんどとれなくなっている。長い麺がダメなのかとキッチンばさみでちょきちょきしたが、やはりダメ、お椀をはじめから脇へよけて、もうほとんど手をつけない。というか普通の食事もあまりとらなくなってきた。もの語らぬ父親は、首を振りただ手を横に振るだけである。僕は、うどんをだすのをやめてしまった。
そして、まもなく、父親の食事の準備をする必要がなくなった。 そればかりか、朝晩の血圧体温や体重の測定もしなくてよいようになった。
父親の環境が変わって、僕はさらに色々なことから解放されていった。ベッドの柵をつかんで、乗り越えようとする父親を押さえる必要がなくなった。病室を出るときに手を振らなくてもすむようになった。ほっぺたをつねっても、手で払いのけられる心配もなくなった。大工をしていた名残のあるごつごつした大きな手を握り返す必要もなくなった。数日後には、酸素マスクのずれを直す必要もなくなった。
 夜通し詰めるつもりで荷物を持って病院へいったのに、数時間後には胸の動きを見守る必要もなくなった。そしてそして、最後は心電図のモニタを食い入るように見つめる必要がなくなった。というのも先程まであった不規則な波形が消え、いつまで見つめていようとも、ただまっすぐな横一線、緑色のラインが変わらずに、薄暗い部屋の中で光り輝き続けるだけだったから。
4ヶ月ほど前のできごとである。父親89才の誕生日まであと1ヶ月、という夏の暑い夜だった。

2010年12月23日(木)

あなたなら、、、何個?

鳴り物いりで登場した梅田丸善&ジュンク堂へ行ってきた。日本最大級!200万冊の品揃え!本好きにとってはたまらなく魅力的なお店である。覚悟はしていたが凄い人。自分がいった通常がらがらの専門書売り場にまでそれなりに人がいる。選び終わって会計は?と捜すと「会計は1階です」と案内表示がある。このお店、広いワンフロアで、B1から7F迄あるのよ…やな予感、と思いつつ降りる。エスカレーターすぐ横には最後尾の札を持ったお兄さんが立っていた。どれだけ続いているのか。ため息つきながら素直に並ぶ。列はチョロチョロ進むが時々とまる。1Fフロアも売り場なので、当然であるが並んだ人のすぐ横には本棚がある。で、目につく本があるのか、列が止まると棚の本を手にとる人がいるのである。前の人が先へ進んで、すぐ気がつくような人はまだまし。中には立ち読みよろしく手にとった雑誌に集中する人がいて、列がぽっかり空いてからやっと気がついて、本を戻して慌てて前の最後尾へと小走り。本を見ているのか並んでいるのか、よくわからん両者が混然一体となったような列、後ろに並ぶ者には非常に不安不安定な面持ちであった。しばらく進んでも本棚の間から見える向こう側の通路には反対向きに並ぶ人の列。ということは、オレは前へ進むけどぐるっと回ってあそこまでいかなあかんねんなぁ、、、。ようやく、、おおっ、長い会計カウンターにたどり着いた。多くの店員さんがアセアセしている。暇なので数えてみると、19のレジ。やっとこさ会計である。
さて、会計では、3000円ごとにチーズケーキが1個ついている、と聞いた。オープン記念のおまけらしい。ふ〜ん、知らんかった、それなら買いたかった本をもう少し買えばよかったかな、などセコイことを思う。が、まあいい、もう一度並ぶ気はない、せっかくなのでレシートを持って、交換場所へ。数人の店員さんが対応している。ふとみると、隣列の受付をする店員さんがレシートをみて一生懸命何やら計算している、そして、やおら後ろを振り返り、奥でケーキを扱う人に一声、「27個です!」何と、に、にじゅう、、なな。3000円で1個だから、、、8万1千円以上の本を買ったのか。確かに、テーブルの上からはヒラヒラヒラっと、なが〜いレシートが垂れ下がっている。きっと数万の本を数冊ではなく、何十冊って買ってるんだよな。 ちなみに僕は可愛く2個。26日までの限定だが、あなただったら、、、、、

大阪梅田マルゼン

丸善ジュンク堂
2010年12月17日(金)
寒くなってきたからね。

諸君!寒くなって乾きが悪くなっとる。だのに君たちは長く、厚くなっている。特に、長袖の脇がなかなか乾かんのじゃ。そこで、はい、右手を挙げて。つぎ左。おいおい右手は下げるんじゃない、そのまま上げて。そうロープをしっかり持つ。ん〜と、フード、フードもしゃんと上げてもらおうか。何!首のところが垂れて支えきれないからから痛い?じゃ仕方ない、洗濯ばさみで止めておいてあげよう。全員いいかな、おいおい、手前の黒い君、左手が垂れてるよ。

洗濯ものたち
2010年12月10日(金)
ご丁寧な音声ガイドをありがとうございます。

我が家にIHコンロがやってきた。オール電化にしたのである。工事が終わって今日からさあIHだ!という朝に我らは大寝坊。早く出る次男の朝ご飯、弁当をつくらなあかん、、急げ、そんな時に目の前には使うのが初めてというIH。
 鍋を置いて、パネルのスイッチ「強」を押しても、、、ランプがつかない。なんでや!!イライラすると、横から「電源いれなあかんねんで」。家人が口をだす。「ガスではそんなんないやん」「当たり前や、これ電気やで」クソっ、電源を押す、、、これがテレビやラジオのスイッチのように軽くワンプッシュではないんだよね。そう、安全のためだと思うけど、長押ししないといけないんだよね。イライライラ。
 そして、もう一度「強」。するとやさしいお姉様の音声案内で 「左IHのダイヤルを押し出して回し、火力ランプを青にしてください。」イライライライラ。
 言われたとおりにパネル下横にあるダイヤルを押しだす。で、「強」「強」「強」もう一度諫められる。「左IHのダイヤル
を回してください。」なんで!!押し出したやん!横から「ダイヤル押し出すだけはあかんの、回さな。」イライライライラ。イライライライラ。
 心落ち着けよう。これでどうだ。ダイヤル回して「強!」 操作に対し、いちいち忠実なお姉様は「火力強です」。やっとできた。文明の利器、新らしい機器を前にして、オレってサルなみだな。
 「グリルでパンも焼けるんよ」そうか、そんなこともできるんだ。よし、時間火力を設定して、スタート。「火力中、時間10分をはじめます」よっしゃ、タイマーは便利だ、セットすればかってにしてくれる、いいぞ。その間に弁当おかずを作るんだ。
 で、「グリルが終わりました。」開けてみると、火力が強く時間が長すぎて、パンが黒こげ、、、、、、そして音声ガイドのお姉様はやさしく丁寧に、アホな使用者にダメを押してくれる。「焼き足りないときは調理を延長できます。」

2010年12月3日(金)
デフレ? いやいやしっかり者!

小三長女の社会のテストを見せてもらった。一問間違えている。どれどれ、何を間違ったのかなって読んでみた。

[3]あゆかさんの家の買いもののしかたを読んで、といに答えなさい。
 ふむふむ。
「家族の(     )を考えて、しんせんで、(     )しなものをえらぶようにしています。そのために、、、、、、」(文章中のカッコ内に、幾つかある選択肢から選んで埋めるのである)
という箇所が間違っている。長女はなんて間違ったんだ。
「家族の( えいよう )を考えて、しんせんで、( 安い )しなものをえらぶようにしています。そのために、、、」
は、長女の間違った答案。栄養あって安いんなら、いいじゃん。あながち間違いでもないような。でも正解は (えいよう)ではなく(けんこう)、( 安い )ではなく( 安全な )。長女の解答は、デフレ社会の影響が子供にまで及んでいるということか?、いやいやしっかり者のお嫁さんになれる素地があるということか!

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