しまぶくろ歯科医院 番外編コラム 本文へジャンプ

スイス滞在騒動記(その4)


サーカス

先日サーカスを見に行きました。「サーカス開催」らしきポスターがしばらく前から近隣にはられていたので楽しみにしていたのです。というのものどかな田舎町なので休みに出かけるような所がなかなかないのです。開催場所は家から15分ほど歩いたところでした。地番を頼りに行ってみると、そこは役所の集まっているところでした。この役所の建物に隣接した広場(というか、なにも建物がない空き地)に円形の大きなテントが設営されていて、「ここやここや、サーカス!ちゃんとやってるやん」。ホントにあるのか不安だったので一安心。テントがはられたサーカスを見るのは一家初めて。この場所では昨日今日と2日間公演のようでした。大人一人2000円ほど。ボーリングのピンをぐるぐる投げるやつ、天井からぶら下がるロープやブランコで回ったり、逆立ちしたり、コミカルな芸や、まさしくサーカスです。でも何故かとっても哀愁が漂います。若い兄ちゃんが司会をしていて、八代アキにそっくりの年増のねーちゃんダンサーがフラーフープみたいなんを腰でぐるぐる回しているのですが、ひょっとして二人は兄弟だろうか、いや若ツバメで出来てるんじゃないか。空中ブランコの若い兄ちゃん、姉ちゃん、落ちて怪我したりしたことあるんじゃないか、毎日しんどいやろなあ、これが終わって楽屋に戻ると座長が
「おいアンドリアーナ、さっきの手を抜いた演技はなんだ」
「ほっといてよ、体調の悪いときだってあるんだから」
「体調の悪い?あっ、おまえもしかして、、、妊娠してるんじゃ、、、あの下足番のやろう」
「まってよ、お父さん!」
・・実は二人は親子だったりして、
「おまえの空中ブランコがこのサーカスのメインだのに、おまえができなくなったらこのサーカスをどうする気だ!」
[お父さんはいつもサーカスのことばっかり」
・・・など見ながら馬鹿な考えてしまいます。

天井からぶら下がる横木で二人がはらはらとするようなポーズを取るのですが、それを四方八方下からライトアップしたとき周りのテントに映る影、これがとても悲しい。

夜遅くまで酒をくらって
「あしたちょっと手を滑らして首の骨を折ってあの世かも知れない、そう思うと今日のうちに思う存分飲んどかないとね」など言いながらへべれけになっているかも知れない。

失礼しました。勝手な想像です。

子供二人はポカーンと口を開けながら食い入るように見ていました。小屋は4種類の席に分かれていました。いっとう上席はボックス席。それ以外は長椅子。最低料金でも日本の感覚ではかぶりつきに近いほどの距離。いろんな演技が目の前です。入っていたのは40家族ぐらい、200人弱ぐらいでしょうか(その気になれば数えられましたね)。それで一番前のボックス席はほぼ満席、残りは閑散とした状況。寝転がってもいいような状況でひろびろ。荷物を広げて見られます。1時間ほどすると休憩です。休憩に外へ出ると、先ほどの八代アキそっくりの年増と司会の兄ちゃんが売店でポップコーンやアイスクリームを売ってました。

「あの女、大した芸も出来ないくせにちょっと肌を見せるだけで観客が喜んでいるのを勘違いしやがって、おまけに若い男にまで手を出して・・」
「座長オレにももっと給料を上げてくれ、それともおまえまであの女と、」
「なにいってんのよ、私は客に物まで売ってがんばんてんだよ」
「物じゃなくて、体売ってんだろ」
とつかみ合いの喧嘩が、、なんて起こってません。

失礼しました。勝手な想像です。

後半はトラ使いの登場からです。中央の舞台が大きなさくに囲まれその一部が小屋の外にあるオリと細い鉄格子状の通路でつながっています。その通路を通じて10匹ほどのトラやヒョウが入ってきました。そして後からトラ使いが中へ入っていきます。汗びっしょりのトラ使い。ふと見ると、トラ達の通路のところに中年の女の人と若い男が立ってトラを追いやるための杖を持ってその演技を見守っています。「あーお嫁さんと息子かなあ」
「お父さん、お父さんの足にトラが・・・」
「ううう、早く銃を、・・」

失礼しました。勝手な想像です。

「お父ちゃん、ダンボ出てけーへんかったな」と4歳の長男。うちの奥さんが「サーカス」を説明するのにダンボのビデオで説明していたので、そんなことをいっていたのです。思わず苦笑い。10時半開始で休憩を挟んで2時間ほどの子供達は退屈することなくたっぷり楽しんでました。
子供も私たちも生で見るのは初めてですが、長男は「また見に行きたいね」といってました。
ではまた

スイス はまださむいっち (たしか3月頃の出来事でした)
(2008.5月更新)



 
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