しまぶくろ歯科医院 番外編コラム 本文へジャンプ

スイス滞在騒動記(その11)

EX-HUSBAND(元だんな)


 僕がいる研究室には4人のラボテクニシャンがいました。そのうちのひとりMさんはバツイチでした。
 僕が、休日に家族で山登りにいった時、子供を背負って登っていると、子供に寝られてしんどかったと言う話をしました。すると、そのテクニシャン(Mさん)が、私も似たような経験をしたと言うので、普通ダンナが背負うんじゃないのかい、と私が問いかけました。それに対して彼女は、彼は今フランスに住んでいる、と言うではありませんか。ぼくは最初なんのことか分からなくてキョトンとしていました。僕は迂闊でした。5年前から・・・、はっと気づいて、ひょっとして別居!、いや離婚しているの、と言うと「Yes」。それでつい聞いてしまったんですよね〜。「何故離婚したの?」そうしたら隠すどころかしゃべるしゃべる、雨あられと出てくる出てくる、うっぷんたまってたんですかね。
 異国の地に来て、外人さんの愚痴聞くとは思わんかったなあ。
 Mさんの元旦那(EX-HUSBAND)さんは、ハンティングにこって時間や金をそれに使い込み家庭を顧みない人だったようです。突然アフリカに行って帰ってこず、あげくに大金はたいて、動物の剥製を買ってきた、やら云々。別れる1年前は喧嘩ばかりして家庭内離婚の状態だったようです。別れてから5年。今は来年小学校へ上がる娘が一人と母子家庭。
  別れてもしばらくは娘の安否を問う連絡があったのにある日からぷっつり。ところが吹っ切れた頃に突然娘のまえに現れ、父娘の再会。母子で平穏な家庭にだったのに、、、娘が父親の存在を意識するようになり家庭に波風が生じだした。と、またしばらくして再びは連絡無し。自分の都合だけで気ままな行動。そんな中途半端なことするなら会いに来るな!とはMさんの怒りの弁。同じ研究室のラボテクニシャンのLさん(この人もバツイチ)はHappyだ、とMさんは言います。なぜなら別れた夫がきちんと毎週末娘に会いに来て、元一家団らんのひとときを過ごせている。〜うーん、Happyねえ。毎週の団らん、、元家族だけど、、楽しい、んだろうね。う〜ん それなら別れなければよかったような気がするけど、、ここでは、そういうツッコミはできないなあ。Mさんテンション上がってるし〜Mさんの話はまだまだ続きます。
 兄ちゃん聞いとくれよ、日本から来たあんたにこんなことゆうのもなんだけどサ、私の家の近くにあたいの両親が住んでてサ、そのおじいちゃんが孫の面倒をよくみてくれるから、わたしゃまだすくわれるんだよ。(もちろんこんな風に語った訳ではありません。雰囲気です)おじいちゃんが父親代わりなんだよ。今直面している大きな問題は子供の養育費のことでサ。しばらくは払い込みがあったのに、元旦那は新規の事業をはじめてから養育費の払い込みはプッツリ。督促しても梨のつぶてだよ。結局ラボテクニシャンとして働き続けなきゃならない、、、細々と娘と二人で暮らしてるのさ。それが腹の立つことに、元ダンツク野郎!、払わないといけない養育費を払わないばかりか、逆になんやかんやと因縁をつけて、こともあろうか逆に金を払えと弁護士を通して通告してきやがったんだよ。そんなことで、あたしゃ対抗するために仕方なく高いお金を払って弁護士を雇わなきゃならなくなっちゃって。そいでもって、、、ますますお金が必要になっちまって。
    聞いてるのかい、兄ちゃん。
別れた夫の母親はねえ、ここベルンに大きな家をもってて住んでいるんだよ。あたしゃアパートぐらしだよ。だのにさぁ、そのお金持ちの両親は自分の孫のことを全然気にしないんだよ。全くひどい話だね。ほんとに。

てなことを延々しゃべり続けて途中で興奮して顔は真っ赤。かくいう私は「はぁ。はあ、はあ、そりゃそうだ」、と頷いて聞くばかり。最初は興味本位で聞いたもののいつまでも喋り続けられると、(あー、せなあかん仕事まだあんのになあ)。(でもなあ、途中で話し切られへんし)(仕事終わってから聞いたらよかったなあ)。

言いたいこと言い終わって、夕方帰りがけ、Mさんは来週末まで来ないとのこと、「休暇ですか?」と聞くと「父がガンなので治療に1週間ほど入院しないといけないので」とのこと「・・・・・・」
あー不幸には不幸が寄りついてくる。私はなんていって良いかわからず、馬鹿の一つ覚えで「Have a nice weekend」っていってしまって、自分で「そんなはずないじゃーろうがー」、あほー。

Mさんは帰る、僕は、、仕事残って居残り、

というぼくの隣のラボテクニシャンMさんのお話でした。

この話にはもう少し続きがあって、
父親の病気のために1週間ほど休んでいたMさん、休みが終わって出てきた顔をみるとなんとおいわさんのよう。ビックリして聞くと歯が原因の膿瘍ができたらしい。父親が入院した直後からMさん顔が腫れてきて切開しても、薬を飲んでも全然痛みがとれず、ひどいときには全然寝れなかったとのこと。しないといけない仕事があって、ちょっとましになったから出勤してきたと言う。でもまだ土色の顔をして顔面もぼかぼかに打たれたボクサーのよう。なにやらおぼつかない足取りで仕事に取りかかってました。う〜可哀相

ちなみに、ラボテクニシャン4人のうちMさん、Lさんを含めて3人がバツイチです。研究室の助教授(この人は男)もバツイチです。教授は子供を二人作ってから離婚して10以上若い嫁をもらって子供がふたりいます(僕が帰国後また別れたそうです)。
Mさんは自分の娘には、結婚する前にまず一緒に住みなさい、とアドバイスすると言ってましたが、、、結果はあんまし変わらないかもネ。

追伸:もう一人の助教授は僕がスイスにいるときは独身でしたがその後結婚し、ポストを得てイギリス移ったあと子供ができていましたが、現在は離婚係争中だそうです。

(平成21年5月5日追加)

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