<平成28年9月のブログ>

袖でよかったね 

平成28年9月22日

 町内会主催の敬老会があった。敬老会では地元PTAコーラス隊による演奏会が催された。でもって、PTAコーラスに所属する我が家人も演奏会に登場!とあいなった。
当日午前中のリハーサルを終えて、いったん帰宅。そしてお昼にお好み焼きを食した家人は舞台衣装持参で本番演奏会のために小学校へと向かう。
500人ほど収容の講堂で6割方の客席が埋まっていようか。
楽屋にて上は白いブラウスに着替え、下は真っ黒の巻きスカートという出で立ちに変身。
さあ、出演者の準備は整った。舞台の袖でコーラス部員は出番を待つ。
「ん!」その部員の一人、我らが家人はスカートの中で、新しい空気にふれるのを感じた。ハッと下を見ると、舞台衣装の黒い巻きスカートの裾から白黒の服地が顔を出している。

舞台衣装たる巻きスカートを身につけた後で、もともとはいていたスカートを脱がないといけなかったのに、家人はボッとしてそのままで舞台へでようとしていたのだ。
最初に身につけていたスカートがそのままなら、二重巻きが外からはわからずじまいで終了だったのだろうが、元々身につけていたスカートのホックが外れたための失態だったようだ。家人は周りから「脱皮」したと、セミかヘビのごとくに言われて、コーラスメンバーのみの笑いを誘うこととなった。

まだ ほど遠い 

平成28年9月19日

 夕食ができた。きのこと鶏つくねのおろし鍋だ。
ごはんをよそう。
おおそうだ、赤飯もあった。
敬老の日を前に町内会から、今年95歳で亡くなった母親の御霊前にと赤飯が届けられたのだった。
全員の分あるわけではないが、それも食べないといけない。
「赤飯もちょっとあるで、ほんまはおばあちゃんのやけど」
次男が「じゃあうちの今の敬老者に、ということで」
我々ですか、まあ、そうかな。

夕食後、冷蔵庫に眠らせておいた二十世紀梨を取り出す。テーブルの上に置く。しばらくすると、たまりかねたように長女が問う
「おとうちゃん、梨眺めてんの。何で切れへんの」
敬老、なあ。

残りもどうぞ 

平成28年9月4日

 淡路島に旅行に出かけた次男がお土産にチーズケーキを買ってきた。
冷凍だが、冷蔵に移して4時間が食べ頃らしい。子供らは朝冷蔵室に移す。おやつの時間頃に食べようという魂胆だ。昼から出かける家人はすぐに食べられないと悔やんでいたが、そんなことでひるむ家人ではない。

夕食後パッケージを開けると、小さな円形のケーキは6等分されて、二きれが残っている。ルイボスティを入れる。洗い物が増えるのはイヤだから、小さなお皿に残った二きれを取り出す。フォーク、フォークも1つでいいか。

しかし、これは後に、そのような判断が誤っていたが明らかとなる。
歴史とはそういうものだ。そのときには軽んじた行為が後に重大な事態を引き起こすことになろうとは。
後世になって諸子百家かまびすくなるのだ。

お茶をすすりながら、扇形のケーキにフォークを入れて一口。フォークをお皿に置くと、次は私だと家人がそのフォークを取って、自分の取り分であるケーキを少しとって食べる。そして、そのフォークはお皿に置かれる。

それは、僕のケーキが4分の3ほど無くなった時点で、つまり4分の1ほど残っている時に勃発した。家人は、フォークで僕の残ったケーキをすくったのだ。そのケーキが家人の口の中の、はるか彼方に消え去ってから、お皿の上のケーキの様相を見て、家人はハッと気がついた。自分が何をしたのか。
僕はあぜんとして、声を発することもできずに凍てつく。



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