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難しくてもちょっと知りたい最新の歯周病治療・歯周病研究 
論文紹介p101(no.466-470)

No.470
Three periodontitis phenotypes: Bone loss patterns, antibiotic-surgical treatment and the new classification.
Delatola C, Loos BG, Laine ML.
J Clin Periodontol. 2020 Nov;47(11):1371-1378.

  この研究の目的は、歯槽骨吸収(ABL)パターン、抗生剤処方、と歯周外科に対して3つの歯周炎クラスター(A、BとC)を比較して、歯周炎新分類との関連を調べることである。
ABLパターン、抗生物質の全身投与と歯周外科数情報が、クラスターの全患者(n=353)から得られた。抗生剤に対して比較とあり得る予知因子が評価され、結果もまた新分類と関連して評価された。
クラスターAは第一大臼歯にしばしば影響している垂直性骨欠損と局所型ステージIII/IVグレードCによって特徴づけられた。クラスターBは主に限局型あるいは広汎型ステージIII/IV、グレードC患者を含んでいた。クラスターCは主に広汎型ステージIII/IVグレードC歯周炎患者を含んでいた。クラスターA患者はBやCに比較して、より多くの抗生物質を受けていた(78% vs. 23% and 17%);抗生物質処方に対する予知因子は若い年齢と局所的なABLであった。歯周外科数はクラスター間で有意な差を認めなかった(A = 1.0 ± 1.4, B = 1.3 ± 1.4 and C = 1.3 ± 1.5)。
ステージIII/IVグレードC内では3つの患者クラスターを見いだした。クラスターAの、明白な局所型ABLパターンと若い年齢は、多分に臨床家に抗生物質処方させやすい。
(歯槽骨吸収パターン、抗生物質、分類、歯周炎、フェノタイプ)
「クラスターAに分類された患者は、第一大臼歯にしばしば影響が見られる局所の>50%骨吸収と垂直性骨欠損と関連する年齢の若い集団であった。クラスタBは<=30%ABLが最も高い割合で、広汎型のタイプであった。そしてクラスターCは>50%骨吸収で垂直性パターンの最も割合が高かった。このようなクラスター分けをして、調べて見るとクラスターA集団が抗生剤投与を最も良く受けていた。クラスターAはAaの出現頻度と割合が最も高かった集団であることがわかっている。クラスターAは昔の限局型侵襲性歯周炎に該当するもののようだ。抗生剤の投与をおこなっても歯周外科数の減少とは関連が見られていない。歯周外科数はというとクラスター間では差が見られていない。」
(令和2年12月31日)

No.469
Demystifying the mist: sources of microbial bioload in dental aerosols
Purnima S Kumar , Kumar Subramanian

J Periodontol. 2020;91:1113–1122.

  空気感染性病原体のリスクは歯科で重要な考慮すべきことで、最近の呼吸器系伝染性疾患の状況から特別な意義を持っている。このレビューの目的は(1)エアロゾールの物理学について現在知られていること、(2)歯科の作業によって生じる環境汚染の種類、(3)これら汚染における細菌叢の種類、量、由来、(4)患者から歯科従事者への疾患伝染リスクを、調べることである。超音波、ハンドピース、エアーウオーターシリンジ、とレーザーを用いる歯科治療のほとんどは噴霧を生じ、その一部はエアロゾル化する。収集された空気サンプルのタイプ中には、幅広い不均質性(飛散、沈降エアロゾール、あるいは収集空気)、その発生源でエアロゾルを減少させる方法の存在や種類(高容量吸引器、低容量吸引あるいは装置無し)、細菌学的サンプルの方法(固形培地のペトリ皿、フィルターペーパーディスク、気体回収機、と液体輸送培地)、そして細菌学的汚染微生物数の評価(増殖状態、増殖時間、細菌学的特徴の特異性)が確固たる結論を引き出す際の障害となっている。
  例えば、超音波スケーラーや高速タービンによって生じるエアロゾル内の微生物の存在をいくつかの研究が報告しているが、微生物の特異的な種類あるいはその発生源はあまりよく研究されていない。
  この少数の研究からは、エアロゾルを生み出す歯科処置中に、唾液が空気中の微生物の主要な発生源であるという明確な結論を引き出せていない。よくコントロールされた、大規模、非侵襲性のエアーハーベスタを用いた多施設研究、細菌学的特徴に対して制約のない方法、そして統合されたデータモデリングが、歯科処置中に産生されるエアロゾールの細菌学的構成要素を明らかにして、そしてこれらの感染病原体の広がり時間と程度を評価するために、緊急に必要とされている。

「一般的に、エアロゾルは気体中に浮かぶ粒子のことを言う。
1934年に、Wellsが飛沫、あるいはエアロゾルとして、空気感染が伝播されるという概念をはじめて提唱した。彼の研究から、飛沫(droplet)は>5μmサイズの粒子と定義された。飛沫は長時間空気中を漂うことも、長い距離を移動することも出来ないので、近距離(典型的には1m)の宿主と接触して広がることになる。
しかしWellsによれば、<100μmの飛沫は地面まで約2mであれば、落下する前に乾燥する。この飛沫が蒸発乾燥すると、空気媒介が続くエアロゾルとなる。彼はこのエアロゾル中の粒子サイズを<5μmと推定した。この粒子は飛沫核(droplet nuclei)とも呼ばれ、長期間空気中にとどまることができると述べている。

  0.5μmの粒子は41時間かかって5フィート(約1.5m)の距離を移動して落下する。1μmのサイズ粒子は12時間で、10μm粒子は8.2分、100μmは5.8秒である。もちろん、気流の方向や速さ、湿度、エアロゾル化した粒子と凝集塊間の引力/反発力などの影響を強く受ける。

  エアロゾルは、呼吸、会話、咳、くしゃみなどの生理的な活動に際して生じる。
・呼吸:1-98粒子/L、粒子サイズは中央値で0.3μm、>1μmはわずか約2%で>5μmは生じない。
・会話:1μmの範囲内に1-50粒子が1秒間当たり放出される(0.06から3粒子/立方cm)。まくし立てる人は大声で叫んでいると1秒間に200粒子を放出している。
・歌う:会話の6倍多く粒子を産生して、咳の際の量に相当する。それで、コーラスダメだったのかなあ。
・くしゃみ:秒速100mで、0.5-12μmの大きさの40,000の飛沫を放出している。
・咳:3,000粒子に及ぶ飛沫核を生じる。

歯科の噴霧装置について
1.超音波装置
  音波、超音波、ピエゾ電子装置から生じる飛散やエアロゾル量とこれらの装置から空気中への粒子の移動距離は同程度であった。作業者の暴露は1立方mあたり1.86x105粒子で、汚染物質は術者の利き手、患者の保護眼鏡と胸部で非常に多く、術者やアシスタントの非利き手と胸部で少なかった。汚染物質は治療場所から2~11m離れた場所でも検出された。冷却が無ければ、、エアロゾルは半径18インチ以内におさまっていた。エアロゾル粒子のレベルは30分から2時間以内に術前と同じレベルに回復した。超音波装置のあらゆるタイプからの射出はエアロゾルに変わり、飛散は術者、アシスタント、患者に沈着する。エアロゾル粒子は広い範囲に移動し、生じてから2時間以内に沈降する。
2.高速ハンドピース
高速ハンドピースは血液や他の成分を含む飛散を生じる。細菌性汚染微生物数は患者のカリエスレベルと同様に、治療歯により変化する。作業時用いられた吸引装置の型が報告されていないのだが、修復作業からの細菌の落下は1.5~2mに及びうる。
3.レーザー装置
レーザーは血管を焼灼するためや蒸散により組織を切開することに用いられるが、そのときサージカルスモークとして知られるガス状の物質が生じる。これは95%が水で、残り5%が血液、微粒子、と微生物由来の物質を含むと報告されている。レーザーによって生じる粒子サイズは0.1から2µmである。

デンタルエアロゾールにおいて、唾液は病原体の発生源であろうか?

  患者によって、唾液量、流量、そして組成が異なるので、エアロゾールの微生物叢のバリエーションが大いにあってしかるべきなのだが、過去の研究ではエアロゾール量、伝染病原体の量、拡散の距離と時間に関して、著しく均一な所見が報告されている。
さらに唾液がデンタルエアロゾールにおける微生物の発生源なら、研究間で多様性、不均一性があってしかるべきなのだが、取り上げた論文で同定された、最も頻度高く検出された細菌は、Staphylococcus aureus, beta hemolytic Streptococci, Escherichia coli, spore-forming bacteria,the genera Cladosporium and Penicilliumに属するfungi,そしてMicrococccusであり、これらは全て環境微生物種である。
  平行して、デンタルユニット貯水器の研究から示されたのは、Staphylococcus aureus, beta hemolytic Streptococci, Escherichia coli, Ralstonia pickettii, Sphingomonas paucimobilis, Brevundimonas vesicularis, Moraxella lacunata, Moraxella spp., Stenotrophomonas maltophilia, Micrococcus luteus, Micrococcus lylae, Staphy-lococcus cohnii, Staphylococcus hominis ss novobiosepticus, Staphylococcus spp., Streptococcus spp.; actinomycetes, and Streptomyces albusの存在である。今1つの研究は水道における高レベルLegionella,Pseudomonasとnon-tuerculous mycobacteriaの存在である。それゆえ、給水がデンタルエアロゾルにおける、細菌の発生源として、大きく寄与していることを示唆する妥当なエビデンスがある。
  その妥当性はさらに、超音波装置と高速ハンドピースは1分間当たり、10から40mlの流速で冷却として水を使用しているが、同じ時間に唾液の流量は0.4-0.5mlであるという事実からもサポートされる。その希釈割合は1:20と1:100の間で変化する。
  唾液がエアロゾルの細菌の存在に寄与していない、とは言えない。というのも、患者のう蝕歯の数と術者のマスク上にみられたβ hemolytic streptococciレベル間には強い相関が見られ、そして、術前に洗口をすると、好気性菌と嫌気性菌のCFU減少が報告されているからである。
  しかし、上述の様に、デンタルエアロゾルでこれまでの所、同定された培養可能な細菌の大部分が環境由来のものであり、エアロゾル中の細菌プロファイルが研究間で著しくノイズが低く、冷却水のために希釈要因が非常に高くなっている。これらの細菌に対して唾液由来を示すエビデンスがない状況では、給水ラインとエアロゾル間の細菌学的な類似性は議論に影響を与えることになる、唯一のエビデンスである。
 歯科エアロゾル中の微生物は唾液由来もあるが、給水系に存在する微生物が主たるもではないかということだ。歯科治療でコロナ感染したという報告はほとんどなく、ましてやクラスターの発生も聞かない。合点がいく。」
(令和2年10月25、26日、28日、29日)

No.468
Tooth-related factors for tooth loss 20 years after active periodontal therapy-A partially prospective studySonja Rahim-Wöstefeld , Nihad El Sayed , Dorothea Weber , Jens Kaltschmitt , Amelie Bäumer , Shirin El-Sayed , Peter Eickholz , Bernadette Pretzl
J Clin Periodontol. 2020 47(10):1227-1236

 この研究の目的は歯レベルで、アクティブな歯周治療(APT)後20年で歯の喪失に関与した因子を評価することである。
APT後最初の後ろ向き解析を行った後、患者はさらに10年追跡された。APT後20年の再評価で、歯関連因子(歯種、部位、骨吸収、分岐部病変、支台状態)と患者関連因子(性別、喫煙、順守)が調べられた。一次結果変数として、歯の喪失に関する記述統計解析と混合ロジスティック回帰分析が行われた。
 この研修では69患者(女性42/男性27)が含まれた。39患者が非順守(56.5%)で、11人が現喫煙者だった(15.9%)。1611歯のうち総数198が失われた。歯の喪失は臼歯(21.1%)、分岐部病変を有する複根歯(23.5%) と支台歯 (固定性27.6%, 可徹性: 36.4%)で有意に最も高かった(p < .01)。最初に>60%骨吸収の存在した歯のうち、37.6%が失われた。遵守患者は 非順守患者よりも歯を失う頻度が少なかった(OR 0.371; p < .01)。
 最初に60%を超えて骨吸収があった歯でさえも、20年後にはおおよそ2/3が保持することが出来ていた。このことは、予後を評価し、治療計画を作成するにあたって、心に留め置くべきだ。
(患者順守、歯周治療、喫煙、歯の喪失、歯関連因子)
「 過去の報告と比較している。18年追跡研究では10.8%、25年で9.5%の歯の喪失が報告されており、今回の研究から得られた結果12.2%は同程度と言えよう。
非順守患者が17.6%歯を喪失したのに対し、順守患者のそれは6.0%であった。同様の結果は過去の報告でも同様に14.7%対4.7%となっている。
 さらに、本研究で、最初に骨吸収が>60%であった歯が、非順守者では47.6%しか維持されなかったのに対し、順守者では84.2%であったことも、メインテナンスの重要性を示す結果といえよう。
 最初の骨吸収程度は歯の喪失リスクとの関連が報告されている。今回の研究でも60%を超える骨吸収の歯の喪失は、20以下の歯と比較して有意に高くなっている(OR11.5)。Faggion らの研究では、歯の喪失に対する有意なリスクとして、歯槽骨レベルの減少が1%増加するごとに、ORが1.04となることを示している。
 しかし、骨吸収がひどくても、SPT非順守者が52.4%歯を喪失したのに、SPT順守患者のそれは15.8%であった。
 分岐部病変が有意に歯の喪失と関連していた(OR 4.152)。しかし、20年の観察期間で、分岐部病変を持つ複根歯の維持は76.5%で達せられた。他の研究でも、、分岐部病変を持つ臼歯のほとんどは歯周治療に良く反応し、クラスIII 分岐部病変の存在も、5-15年追跡期間中わずか30%で歯を失っただけであった。」
(令和2年10月22日)

No.467
Hormone-related events and periodontitis in womenMario Romandini , Hye-Sun Shin , Pierluigi Romandini , Andreina Laforí , Massimo Cordaro
J Clin Periodontol. 2020 Apr;47(4):429-441.

 歯肉の炎症に及ぼすホルモンイベントの短期の影響はよく述べられているが、歯周組織に対する長期の影響はあまり注目されていない。この横断的集団ベースの研究目的は、韓国の閉経後女性の代表的サンプルにおける、ホルモン関連イベントと歯周炎との関連を評価することである。
 610万韓国人の代表値として総数10,273人の閉経後の女性が調べられた。歯周炎と重度歯周炎は地域歯周病指数(それぞれCPI≧3とCPI=4)に従って定義された。3つの異なるモデルを用いて単変量あるいは多変量解析が、年齢、喫煙、婚姻状態、教育レベル、収入、BMI,高血圧、ストレス、とブラッシング回数を制御して適応された。
 重度歯周炎は生殖可能年齢の長期化(p-trend = .027)と授乳期間の長期化(48-72 vs. 1-17 months: OR = 1.49; 95% CI: 1.01-2.21)と直接関連が見られた。逆に、早期の閉経年齢、人工的閉経の既往(OR = 0.72; 95% CI: 0.53-0.97), having had more than 6 pregnancies (vs. 4: OR = 0.73; 95% CI: 0.55-0.97),、6回以上の妊娠経験と初産>26歳が重度の歯周炎と負の関連が見られた。
 この大規模な国民的代表集団で、重度歯周炎は閉経年齢、生殖可能期間、妊娠/中絶数、初産年齢と授乳期間と関連がある一方で、経口避妊薬とホルモン補充療法使用とは関連がなかった。
(韓国国民健康栄養調査(KNHANES)、中絶、母乳育児、避妊薬、ホルモン補充療法、授乳、初潮、閉経、整理、歯周病、妊娠、リスク因子)
「性ステロイドが歯周組織の健康に影響を与える役割を支持するエビデンスは数多く存在する。全身的には免疫系、脈管構造と骨への影響がある。歯周組織特異的なものとしては、エストラジオールに反応して歯肉線維芽細胞が増殖あるいはサイトカイン上昇があるのに対し、プロゲステロンにより反対の効果が生じる。
性ステロイドホルモンの歯周歯根膜線維芽細胞への影響を検討した研究は少ないが、エストラジオールはアルカリフォスファターゼ活性を刺激し、LPS誘導性サイトカイン産生を減少させることが示されている。
 歯槽骨に関して言うと、授乳を司る主要な性ホルモンでああるプロラクチンは、RANK/RANKL/OPGシステムへの影響を通じて、上顎歯槽骨における骨吸収を誘導しうることが、近年明確に示された。
性ステロイドが縁下細菌叢に及ぼす影響については議論の余地がある。初期の研究では女性ホルモンがPrevotella intermediaへ影響することが示されたが、これが歯肉組織の炎症状態への影響によるものか、細菌叢への直接的な影響があるものか、未だはっきりはしていない。
 生殖可能年齢については、生理周期期間中の性ステロイドホルモンの変動は歯肉炎症に影響を与えていることが示されている(アタッチメントレベルには影響しない)。生理期間中と比較して、排卵や生理前で歯肉炎指数が上昇することも示されている。
妊娠数と初産年齢に関して言えば、母になることは短期間の歯肉炎症に影響していることは明白だ。しかし悪化した炎症反応は出産時に、一般的にアタッチメントレベルに重大な結果を残さない。」
(令和2年9月29日)

No.466
Tooth loss in aggressive periodontitis: Results 25 years after active periodontal therapy in a private practiceAmelie Bäumer , Dorothea Weber , Sebastian Staufer , Bernadette Pretzl , Gerd Körner , Yan Wang
2020 Feb;47(2):223-232.

 この研究の目的は、アクティブな歯周治療(APT)の後10-35年、侵襲性歯周炎(AgP)患者における歯の喪失を評価し、歯の喪失に影響を与えうる因子を見いだすことである。
侵襲性歯周炎患者100名のうち、歯の喪失はAPTの後、追跡期間中央値25.5年期間で後ろ向きに記録された。患者および歯レベルの因子はCox frailty回帰モデルで評価した。
2,380歯のうち、277歯が中央値25.5年の追跡期間中に失われ(2.3±3.6歯/患者)、平均の喪失割合は0.09歯/患者/年であった。患者レベルで言うと、歯の喪失に統計学的に有意な因子は喫煙(p = .039)とベースライン時の診断広汎型AgP(p < .001)であった。歯レベルで影響を与える因子は、支台歯(p = .009)に加え、上顎部位(p = .003)、ベースライン時骨吸収 (p < .001)、臼歯 (p < .001)と小臼歯 (p < .001) であった。
長期間に個人医院で治療を受けたAgP患者において、歯の喪失が生じるのは希なことである。毎年の歯の喪失割合は大学の診療室で記述されてるそれと同レベルである。喫煙、広汎型AgP、歯の部位/タイプ、ベースライン時の骨吸収と支台歯は歯の喪失に影響を与える因子として検出された。
(侵襲性歯周炎、コンプライアンス、歯周治療、サポーティブペリオドンタルセラピー)
「今回の長期経過症例(追跡期間中央値25.5年)では歯の喪失は2.3歯/であった。約39%が1歯も歯を失うことなく、39%が1-3歯、16%が4-9歯で、6%の患者が10歯以上喪失していた。他の報告でも同じ傾向の報告があり、17年以上のAgP患者で全患者の5%が10歯以上歯を失っている一方、70%以上は0-3歯にとどまっていた。慢性歯周炎20年以上経過症例でごくわずかの患者のみが多数歯を失う一方、67%と多くの患者が0-3歯のみの喪失となっている。
本研究では0.09歯/患者/年は他のAgP患者に関する報告で見られる数値(0.08-0.27歯/患者/年)と比べても低い。ちなみにLAgPとGAgPの比較は、本研究ではそれぞれ、0.01 VS 0.12(以下単位は全て、歯/患者/年)であり、他の研究やシステマティックレビューではそれぞれ、0.02 VS 0.14と0.19 VS 0.33であった。
喪失のリスクにSPT参加の規則性は含まれなかった。定期的なSPT参加者は年2回以上受診している。SPTコンプライアンスは統計学的に有意差はでないものの、規則正しいSPT受診者の方が歯の喪失割合が少なかった。また不定期なSPTに分類分けされた患者も平均すると1.7回/年受診しているので、このことも差が見られなかった要因かもしれない。」
(令和2年8月10日)



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