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難しくてもちょっと知りたい最新の歯周病治療・歯周病研究 
論文紹介p097(no.446-)

No.447
Association between time since quitting smoking and periodontitis in former smokers in the National Health and Nutrition Examination Surveys (NHANES) 2009 to 2012.
ALHarthi SSY, Natto ZS, Midle JB, Gyurko R, O'Neill R, Steffensen B.
J Periodontol. 2019 Jan;90(1):16-25.

 この研究の目的は、2009年から2012年の間に得られた2つの米国国民健康栄養調査(NHANES)において、非喫煙者、前喫煙者、現喫煙者の歯周組織状態を解析し、喫煙中止からの期間と歯周組織状態との関連性を決定することである。
2009年から2010年と2011年から2012年までのNHANESから喫煙状態と歯周組織診査が解析された。解析に含まれた調査対象者は18歳以上で、歯周組織分類アルゴリズムに対して必要な測定記録を持つNHANES口腔健康歯周組織診査を完全に全うし、NHANES喫煙状況質問票からのデータがそろっていた。ロジスティック回帰が、暴露として禁煙からの期間、結果として歯周炎の状態でロジスティック回帰が行われ、交絡因子で補正された。
喫煙状態は歯周組織状態と有意な関連があった(Chi-square; P < 0.0001)。歯周炎の割合は前喫煙者(19%)と非喫煙者(13%)に比較して、喫煙者でもっとも高い(35%)。前喫煙者の中で、交絡因子で補正すると、禁煙後各年は歯周炎に対するオッズ比(OR)において3.9%ずつ有意な減少と関連があった(OR for each year 0.961, 95% confidence interval 0.948 to 0.975)。
前喫煙者のうち、禁煙後の期間が長くなると、歯周炎になる可能性が低くなることと関連があった。
(ロジスティックモデル、栄養調査、歯周組織指数、歯周炎、公衆衛生、喫煙)
「歯周組織の健康にとって、最も影響力のある修飾可能なリスク因子は喫煙である。知っての通り、治療後のポケット深さや長期予後に悪影響を与える。では喫煙者が禁煙をした場合の歯周組織に対する影響はどのように変化するのであろうか。Tomar とAsmaは非喫煙者と同じ歯周炎罹患のオッズ比になるには、前喫煙者は11年必要であることを示している。
今回の研究から非喫煙者歯周病有病率は13.1%、前喫煙者と喫煙者のそれはそれぞれ、19.3%と34.5%であった。歯周炎のない調査対象者のうち、61.5%は非喫煙者、前喫煙者は26.5%で喫煙者は12.0%であった。喫煙者は中等度歯周炎調査対象者のうちの28.2%であり、重度歯周炎の37.5%を占め、歯周炎が無い調査対象者における12.0%あるいは軽度歯周炎調査対象者における22.6%よりも高い値を示した。今回の研究では禁煙後の期間は歯周病を有するオッズに対して防御的で、1年経過するごとに歯周病を有するオッズで、2.5~5.2%の追加で減少することと関連していた。禁煙後の期間を10年未満、10~20年未満、20~30年未満と30年以上と分類分けすると、この分類分けに従って、禁煙後の期間が長くなると歯周病の進行のしやすさが減少していた。
喫煙は歯の喪失と関連があり、喫煙中止で歯の喪失リスクは減少するが、10~20年で非喫煙者のリスクと同等に達するとされる。口腔の健康に禁煙指導は有意義と思われるが、歯科医院で禁煙プログラムがあまねく実施されているとは言いがたい。」
(平成31年2月17日)

No.446
Dietary therapy and non-surgical periodontal treatment in obese patients with chronic periodontitis.Martinez-Herrera M, López-Domènech S, Silvestre FJ, Silvestre-Rangil J, Bañuls C, Hernández-Mijares A, Rocha M.
J Clin Periodontol. 2018 Dec;45(12):1448-1457.

 食事制限減量介入の歯周治療に関する影響は知られていない。それゆえ、我々は体重減少が非外科的歯周治療に対する肥満被験者の反応を改善させるかどうかを評価することを目的とした。
肥満患者のこの介入試験はUniversity Hospital Dr. Peset(バレンシア、スペイン)で行われた。患者は食事療法の有無で2群に分けられた。全ての患者が非外科的歯周治療を受けた。歯周組織、身体測定、生化学的パラメーターがベースライン時と12週に評価された。
総78人が介入後再評価された。全ての歯周パラメーターが歯周治療後両群で改善したが、平均プロービングデプス(PD) (0.23 mm vs. 0.12 mm)とPD 4-5 mmの部位率における (10.4% vs. 5.89%)減少が食事療法群で有意に大きかった。さらに、補体第三成分と腫瘍壊死因子α(TNFα)が介入後食事療法群で減少した。平均PDでの変化の割合は第三因子(r = 0.233, p = 0.043)と、PD 4-5 mm部位変化の割合はTNFα (r = 0.414, p = 0.012)における変化と関連した。
この研究は食事制限減量介入が全身的炎症の大いなる減少を生じさせることを示唆しており、そのことから歯周治療への反応を高める可能性がある。
(食事療法、非外科的歯周治療、肥満、歯周炎、体重減少)
「肥満は非外科的な歯周治療への反応に悪影響を与えると言われるが、体重減少の非外科的な歯周治療への効果を評価した研究はほとんどみられない。肥満外科手術を受けた人はそうでなかった人に比較して、歯周治療によるPD、CALおよびBOPの改善が良かった、という報告がある。ただし、歯周治療がない場合には、肥満外科手術を受けた後も歯周病は重症化していた。また食物線維が多く含まれ、低脂肪の食事はPD、CALおよびBOPを改善させる報告もある。
体重減少は心血管系リスク因子や中性脂肪を低下させる一方、HDLCを上昇させる。今回の研究でも中性脂肪の減少とHDLCの増加がみられている。さらに体重減少は血圧に加えて、血糖値減少などの炭水化物プロファイルにも影響を与えるとの報告があるが、今回の研究では治療後の糖代謝や血圧に変化はなかった。
体重減少でもたらされた歯周病の病状マーカーの改善はフォロー期間中に体重が元に回復しても持続していた。そのため体重減少が直接歯周病マーカーに影響したのではないだろう。著者らは全身的炎症パラメーターが寄与しているのでは、と推察している。」
(平成31年1月3日)



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